最初私は、「木の家づくり=住友林業」というイメージを持っていました。
しかし、なんといっても値段が高い⋯
住友林業を考えたは人は全員と言っていいくらいぶち当たる壁です。
- 住友林業に憧れたけれど価格で断念しつつある⋯
- 木の家を建てたいけど住友林業以外のメージが湧かない
- 他の選択肢を考えている
そんな状態ではないでしょうか?
私自身も住友林業の展示場を見学し、資料を取り寄せた経験があります。
今回はその体験を踏まえ、やめた理由と、大手ハウスメーカーと工務店を比較した結果をお伝えします。
- 住友林業を考えた体験談
- やめた理由2選
- 工務店という選択肢で広がった世界
- 工務店を選んだ決め手
展示場見学・資料請求・SNSで住友林業を検討

イベントのついでに展示場を覗いた程度でしたが、第一印象は「さすが大手すみりん!豪華!」というものでした。
- 木の質感が高級感合ってオシャレ
- 窓大きくて開放感ある
- スタッフが爽やかで第一印象もよかった
なんといっても高級感のある空間とブランド力は、やはり一度は心を惹かれるポイントです。
一緒に見学した妻も、「広い!デザインが好み!」と声を上げていました。
SNSでも「#住友林業」「#すみりん」などのタグを使い、オーナーの実例やデザインを調査。

特にInstagramで住林の家づくりを発信しているインフルエンサーの投稿を参考にしていました
この一連の体験が、木の家づくりを本格的に検討し始めるきっかけになりました。
住友林業に惹かれた点


木といえば住友林業でしょ!
最初は住友林業一択でした。(というか木の家を建てられるメーカーは住友林業しか知らなかったです)
- 高級感あるデザイン
(まるでホテルのよう!) - 柱のない大空間
(開放感がすごい!) - 全国展開するブランド力
(知名度と安心感)
Instagramやネット記事で見る住友林業の家に、夢を膨らませる毎日…笑
しかし、結果的には木の家づくりの代表格である住友林業を諦めることに。
住友林業をやめた理由2選
私が住友林業をやめた理由は主に2つです。
- 価格の高さ
- 断熱材がグラスウール
1.価格の高さ
2025年時点の相場を、地元工務店へのインタビューや住友林業オーナーの公開記事で調べたところ、
住友林業は坪単価およそ90万円、
自然素材を扱う地域工務店は約60万円
と、大きな差があることが分かりました。



同じ30坪の家ならおよそ900万円近い差になります
とはいっても住友林業の家は本当におしゃれで、高級感と洗練されたデザインが魅力。
頭ではわかってるのに、感情が追いつかず⋯
諦めるには勇気が必要で何度も迷いました。
しかし、価格差を冷静に考えると、外構や庭づくり、自然素材のグレードアップなど、家そのものを充実させる余地が見えてきました。



浮いた分で趣味や家族旅行など、暮らし方にもまわせますね
工務店を選んだことで無垢材や自然素材を家全体に思いっきり使うことができ、結果として理想の家づくりが実現。
年1、2回の家族旅行や、妻とは私のおこづかい水準を下げることなく暮らしています。


価格が高い理由は大手ハウスメーカーの仕組みのため
住友林業の価格が高いのは「ボッタクリ」だからではなく、大手ならではの仕組みがあるからです。
- 広告宣伝費や全国展開の人件費
- 展示場・モデルハウス維持費
- 下請けの業者(実際に工事する工務店)への中間マージン
これらが上乗せされているため、工務店に比べて価格はどうしても高くなります。
しかし、大手ならではの手厚い保証や設計の自由度を含めて納得する人は多いのも事実。
「価格が高い=損」ではない点も理解しておきたいところです。
断熱材がグラスウール
住友林業の標準仕様はグラスウールです。
グラスウールは、細いガラス繊維のワタを壁に敷き詰めて断熱する一般的な素材です。
価格が手頃で施工しやすいメリットがあります。



ただ、自然素材を重視していた私にとって、工業製品のグラスウールはしっくりきませんでした
さらに、デメリットとして、施工が不十分だと内部で結露が発生し、木材が腐るリスクがあることも気がかりでした。
実際、グラスウールが正しく施工されず内部が湿気で腐った事例も報告されています。


(引用ː一般社団法人住宅不動産資産価値保全保証協会監修「後悔しない住宅購入のための基礎知識講座」12頁)
このようなケースを知ったことで、断熱材そのものだけでなく施工方法や素材の吸放湿性まできちんと見る必要があることを痛感しました。
そこで私が選んだのが、セルロースファイバーです。
セルロースファイバーは自然素材の断熱材


セルロースファイバーは新聞紙を主原料とした自然素材です。
- 断熱性能の数値はグラスウールと大きく変わらず優秀
- 壁にみっちり吹き込むタイプのため隙間ができにくく、結露しにくい
- 防音性が高く、リサイクル材を活用していて環境にもやさしい
といった点が大きな魅力でした。
実際に住んでみて結露に悩まされることなく、冷暖房効率の高さにも満足しています。
自然素材の断熱材は他にも、羊の毛を敷き詰める「羊毛」があります。



家づくりのワンポイントアドバイス!
家づくりの専門家は、断熱効果を高めるために、自然素材の断熱材や家をすっぽり包む、外張り断熱をオススメしています。
理由まとめ
- 断熱材も自然素材を使いたい
- 値段の差を旅行や趣味に回したい
以上の2点が住友林業を断念した理由です。
工務店に目を向けた理由
私が工務店を選んだ理由は以下の3つです。
- 性能と価格のバランスが取れていた
- 無垢材や自然素材がおもいっきり使えた
- 地域密着で柔軟な対応に惹かれた
性能と価格のバランスが取れていた


ハウスメーカーと比べてコストを抑えつつ、希望していた高気密・高断熱の省エネ住宅を実現できることが最大の決め手でした。
無垢材や自然素材がおもいっきり使えた


家の骨組みから壁の中の断熱材まで、自然素材が使えることも大きなポイントでした。
他に比較した工務店のなかにも、
- 漆喰や珪藻土も標準仕様
- 予算に合わせて無垢床だけ採用できる
- 1階は塗り壁・2階はクロス、のように使い分けできる
- 断熱材に自然素材(セルロースファイバーや羊毛)が使える
という会社がありました。



自分の理想に合った工務店を探しましょう
地域密着で柔軟な対応に惹かれた
建てたあとも工務店自身で定期点検やアフターメンテナンスに対応してくれるのも地域密着ならでは。
そのため何か緊急のことが発生した場合、スタッフが車で駆けつけられる範囲で施工エリアを決めている会社が多い印象です。
ほんの些細なことでも電話一本で工務店のスタッフに相談できるのは安心感につながります。
【比較】住友林業がオススメな人
- ブランドや知名度を重視する人
- 大空間やデザイン性にこだわりたい人
- 保証やサポートを「安心」で選びたい人
住友林業には、大手ハウスメーカーならではのブランド力があります。
全国展開で有名だからこそたしかな施工力があり、安心して大きな買い物ができる。
一言で言うなら、安心感が売り、ということになります。
住友林業では、ビッグフレーム構法によって耐震性を損なわず「設計自由度の高い大空間」が実現できるのも大きな特徴です。
柱を隠したい人にとって「耐震のためにリビングの中央に柱が必要…」という心配もいらず。
さらに建てたあとも最長60年の長期メンテナンスと12回の無料点検、24時間365日対応のコールセンターで安心のサポートを提供しています。



ハウスメーカーそのものは、多少コストが高くても大手ならではの安心感を買いたい人向けだよ
その中でも特に住友林業は、無垢床など自然素材を取り入れつつ、デザイン重視や大空間を実現したいと考えている人に向いているでしょう。
【比較】工務店がオススメな人
- 知名度やブランドにそんなにお金をかけたくない人
- 大工や左官職人など、つくり手の見える家づくりがしたい人
- 地域密着で柔軟に対応してくれるサポーターを求める人
ハウスメーカーでなければ必ずしも、家の性能やサポートに劣るというわけではありません。
例えば、工務店でも高気密・高断熱を実現している会社は数多くあります。
一つの指標として「ZEHビルダー制度」があります。
ZEHビルダーとは?
断熱性や省エネ性能に優れたZEH住宅を建てられるハウスメーカーや工務店を、国が信頼のお墨付きを与え安心して任せられると認める制度のこと。
私も工務店のZEHビルダー登録の有無で、性能に力を入れているかの判断材料にしていました。
ZEHビルダーに登録しているかどうかは、こちらの一覧サイトで検索できます。詳しくは次の章で解説します。
また他にも、
- 子の成長に合わせて増改築も視野に入れたい
- 化学物質の少ない塗り壁や自然塗料を多く使いシックハウスの心配をなくしたい
- 職人の顔が見える安心感を大切にしたい
そんな人にとっても、工務店は大きな魅力になります。
「大工の〇〇さんが建ててくれたんだよ」と、家族で共有できる思い出にもなりますね。
建てたあともスタッフが家に遊びにきてくれたり、工務店主催のメンテナンスセミナーなどのイベントに呼んでもらえたりと、地域密着ならではのサポートが受けられます。



工務店は「価格を抑えながら、無垢材や漆喰などを取り入れたい人」に向いているよ
ネームバリューにそこまでこだわりがなければ、工務店の選択肢も入れてみることをオススメします。
工務店の探し方



工務店を候補にしたいけれど、数が多すぎてどこで探せばいいかわからない⋯
工務店は価格や性能のバランスが良く魅力的である一方、数が多く比較が難しいというデメリットがあります。
さらに住宅展示場ではなく、近郊にモデルハウスを建てている工務店も。



実際私も、木を扱う工務店を自力で探すのは大変でした
大手と違って「知名度」では選べないので、資料請求やオンライン相談を活用すると効率的です。
特に子育てしながら家づくりを進めるのは大変。
時間がいくらあっても足りません…
SUUMOやLIFULL HOME’Sなど家づくりエージェントを使えば、条件に合う工務店をまとめて比較できるのでオススメです。
私は「自分で探す+家づくりエージェントを使う」の二刀流で木の家が建てられる工務店を探しました。



LIFULL HOME’Sを利用したことで、家づくりのスピードがグンと上がりました
体験談としてこちらの記事に詳しく書いていますので併せてご覧ください。


ZEHビルダーに登録されているかの確認方法
省エネ性能も気になる方には、候補の工務がZEHビルダー制度に登録されているか、以下のサイトで確認できます。
2016年度以降に登録されたZEHビルダー/プランナーの情報を公表しています。



私は工務店を数社に絞ったあと、最終比較のために活用しました
対応する都道府県や取り扱う住宅の種別、工務店の名前などから検索することができます。
たとえば、私が建てたひだまりほーむの例で説明します。
①工務店の名前を入力
②検索を押す


するとZEHビルダーに登録されていれば、以下のように検索結果が出ます。


工務店入力の下の項目、「対応可能エリア」からは地域名で検索できます。
ただこの場合、自然素材に対応しているかどうかはわからないので、ある程度絞り込んだあとに比較として活用することをオススメします。
木の家を安く建てる方法3選


素材自体が高くなりがちな木の家。
住友林業の価格に劣らず、自然素材の工務店もいいお値段がするのも事実です。
一般的な工業製品を扱う工務店に比べて、自然素材を扱う工務店の方が値段は高くなります。
しかし実は、大手ハウスメーカーから工務店に目を移すだけでなく、さらに工夫することで自然素材の家を安く建てる方法があります。
- 施主支給
- 造作家具を最小化
- 補助金の活用
施主支給とは、自分で購入したものを持ち込む方法です。照明器具やタオルホルダーなどが挙げられます。
費用が安くなる可能性があるほか、自分の好きなものを選べるというメリットがあります。
ただし、施主支給ができるかどうかは工務店によるので確認が必要です。
造作家具を最小限に抑え、規格製品にすることで費用が下げられる場合があります。
本当にお金をかけたいところ、後回しにしてもいいところの基準を持つことでコスト削減につながります。
補助金については、国から出るものと自治体から出るものの、2種類があります。
わが家の場合、国の補助金(長期優良住宅)と、地域の木を利用することでもらえる自治体の補助金の2つを利用しました。



補助金を活用することで、100万単位の補助が出たりするよ
詳しくはこちらの記事で解説しています 。


まとめ


私が住友林業をやめた理由は「価格」と「断熱材」でした。
しかし、住友林業が向いている人もいれば、工務店の方が満足度が高い人もいます。
大事なのは「どちらが正解か」ではなく「自分の価値観に合うかどうか」。
ぜひ大手ハウスメーカーを検討しつつ、工務店も視野に入れてみてください。
選択肢が広がり、運命的な出会いがあるかもしれません。
早い段階で複数社に資料請求して比較することが、後悔しない家づくりの第一歩です。
たくさんある工務店探しには、ぜひ家づくりエージェントを活用して効率的に自分に合った会社を見つけてください。
納得のいく家づくり、応援しています!
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