- 自然素材に興味はあるけど高くて迷っている人
- 最終1社に絞りきれていない人
- これから打ち合わせの人
「自然素材の家って高そう…」そんなイメージ、ありませんか?
たしかに自然素材の家は、注文住宅の中では決して安くないのは事実です。
実際モデルハウスに行った人も、金額を聞いて「やっぱり高い!」と感じた人も多いはずです。
さらに希望を叶えようとすればどんどん金額が上がっていく⋯

「見積もりから500万円あがった」なんてことをよく耳にします
でも実は、工夫次第で価格を抑えられ、理想の家は実現できます。
実際、私も本記事で紹介する工夫を取り入れたことで予算オーバーしすぎず、最初の見積もりとほぼ同じ値段で建てることができました。
この記事では、私の体験談を踏まえ「コストダウンの工夫」を具体的にご紹介します。
- 自然素材の家づくりのコツ
- コストダウンの方法
- コストダウンしてはいけないもの
「高いから諦める」のは正直もったいないです。
私の友人に、総額が高いという理由で諦めて、後悔しているのを間近で見たからです。
住んでから「やっぱり自然素材にすればよかった」と後悔しないためにも、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
自然素材の家が高くなる理由
自然素材の家が、一般の注文住宅より値段が高くなる理由は以下の2つです。
- 材料コスト(無垢材、漆喰など)
- 職人の技術料
自然素材は、大量生産ができる工業製品と違って加工や調達にひと手間かかります。
例えば、無垢材は自然のままの木を1枚ずつ加工します。
無垢材調達のおおまかな流れは、以下の通り。
切る→乾燥させる→運ぶ→選ぶ→現場へ
加工や調達に月・年単位で時間がかかり、そのぶん価格が高くなります。


さらに、自然素材を使いこなすには、高度な技術や経験が必要。
そのため職人さんの手間賃(技術料)も高くなります。


また、漆喰壁や珪藻土の塗り壁は、左官職人(壁を塗る人)が手作業で丁寧に塗っていきます。
つまり自然素材の家は、「手間と技術が必要な素材」で、「職人が手仕事でつくる」家といえます。
コストは上がりますが、それに見合った理由と価値があります。
【実体験】
自然素材の家を安く建てる8つの工夫
自然素材の家のコストには、変えられないものと、変えられるものがあります。
変えられないものは、素材自体の値段と職人の技術料。いわば家のベースとなる部分です。
自然素材の家のコストで変えられないもの
家のベースに関わる価格(自然素材自体の価格、技術料)



それでもできるだけ安く建てるにはどうしたらいいの?
変えられるところである、坪数や材質、設備などで調節していきます。
自然素材の家のコストで調整できるところ
家の大きさ、使う樹種、造作家具、設備など



ベースが高い分、造作家具や設備で調整していくのがコツです
自然素材の家コスト削減 8つの工夫
- 総二階建てにする
- 施主支給する
- 造作家具を最小限にとどめる
- 子供部屋を後回しにする
- 設備のグレードを下げる
- 標準設備を見直す
- 補助金を活用する
- 0円ソーラーを利用する
一つずつ詳しく解説していきます。
総二階建てにする


コスト面では、総二階(左図)より、部分二階(右図)の方が高くなります。
壁や床が多くなるとその分コストがかかるためです。
【例】
1階20坪+2階10坪の場合、同じ30坪でも壁や屋根が複雑になり、コストが高くなる
建物自体の坪数を減らすのもお大幅な減額に効果的です。
一坪減らすだけで予算内に収まったということも多いといいます。



シンプルな形のほうが安くなるんだね
施主支給する
照明や洗面ボウル、タオル掛け、カーテンなどの設備を施主支給する例が見られます。
Amazonや楽天で買うことでポイントをつければ一石二鳥に。
施主支給がおすすめな理由
- ハウスメーカー・工務店を通さないことによって中間マージン(仲介手数料)を抑えられる
- 量販店やネット通販で安く手に入れられる
- ショップで買えばポイントがつく
住宅会社によって施主支給ができない場合があるので担当者に確認してください。
造作家具を最小限にとどめる
造作家具は注文住宅の醍醐味です。あれもこれも欲しくなるのは当然のことです。
しかし、そのぶん値段が張ってしまうことに。
初期費用を抑えるには、造作家具を最小限にするのも手です。
理由は、造作家具には、あとからでも付け足せるものが多いからです。
例えば、あとから変えにくいキッチンは造作で作る。
追加工事のしやすい「机」や「洗面」などはお金に余裕ができてからにする。
このように、造作家具の優先順位を決めることで初期費用を抑えられます。



あとから造作家具を追加しても、素材が木なのでインテリアに馴染みやすいよ!
担当の設計士に頼めば、家づくりのワクワクがもう一度味わえますよ。
- 子どもが小さいうちはベタベタになりやすい洗面台は既製品でOK
- キッチンは優先順位が低いので既製品でOK
- カップボードは前の家から持ち込みでOK
- 造作のヒノキ風呂は手入れの手間を考えてNG
持ち込んだカップボードは壊れたので、あとから造作家具で新調しました。


子供部屋を後回しにする
壁の仕切りはあとからでもできるのが自然素材の家の特徴です。
子どもの成長に合わせて自由なレイアウトが可能です。
小さい頃は広いスペースで遊び場として使い、大きくなったら部屋を作ってあげるのもいいですね。


現在は仕切らず、広い共有スペースとして子どもたちが走り回ったり、おもちゃで遊んだりしています。
エアコンやコンセントを必要数つけておけば、あとは間仕切り工事のみです。
設備のグレードを下げる
キッチンやトイレ、お風呂など水回りの設備のグレードを下げることは比較的ハードルの低い方法です。
「あると便利」は削る、など、自分なりの判断基準を持つと削減しやすいです。
- 今の生活で困っていないものは不要
- 優先順位をつけていく



こだわるところだけ造作にするのがおすすめだよ
標準設備を見直す
標準設備のグレードを下げることもコスト削減に繋がります。
ただし、削ってしまうと快適性や安全性が落ちてしまうものもあるので注意です。
削ると安全性や快適性が落ちるもの
- 家本体の構造
- 換気機能
本当にグレードダウンしていいか、担当設計士に確認するのがおすすめです。
- 第1種換気 → 第3種換気に
- トイレをタンクレス → タンク付きに
100万円ほどコストダウンに成功したものの⋯



実は後悔していることもあるんです…
第3種換気にグレードダウンしたことです。
第3種換気は窓の開け閉めや吸気口で換気するため、室内の空調が外気に左右されるというデメリットも。
空調効率からしても、冷暖房費のランニングコストは第一種換気の方が抑えられたかもしれません。
設計士さんと相談して決めればよかったと思っています。
補助金を活用する
補助金には大きく分けて二種類あります。
- 国の補助金(全国共通)
- 自治体の補助金(市町村ごと)
国の補助金には以下のものがあります(2025年7月現在)。
省エネ住宅対象の「子育てグリーン住宅支援事業」


https://kosodate-green.mlit.go.jp/
自治体には独自で、地域材の利用で補助金を出している場合があります(2025年7月現在)。
【例】京都府の場合
「ひろがる京の木整備事業」京都府産の木材を利用することで補助金が出る


https://www.pref.kyoto.jp/rinmu/hirogarukyounokiseibijigyojyuutakutaipu.html
いづれの場合も、補助金を受けるには細かい条件を満たすなど、注意点があります。
補助金の注意点
- 補助金には限りがある
- 省エネ基準など条件を満たす必要がある
- 複数の補助金を併用できない場合がある
条件や併用について住宅会社の担当者に確認してください。



補助金をうまく活用しておトクに建てよう
申請はハウスメーカー・工務店が代行してくれることが多いです。
- グリーン化事業(国から140万円補助)
- 岐阜の木の補助金(自治体から20万円)
0円ソーラーを利用する
太陽光発電システムを利用場合は、「屋根貸し」にすることで、初期費用を0にすることができます。
無料でソーラーパネルを乗せられることから、一般的に0円ソーラーと呼ばれます。
屋根貸しの企業が借りた屋根のソーラーパネルで発電し、私たちはその電気を使わせてもらう。
余った電気は屋根貸し企業のもの(=利益)になる、ということになります。
そのため、電気を自由に売って(売電)お金に変える、ということはできないので注意が必要です。



余った電気を自分で自由に売れないことが、自分で設置する場合との大きな違いだよ
「売電したい」というよりは「ZEH基準を満たすため」にソーラーパネルが必要だったから。
自分でエネルギーを作り出せることが、省エネ住宅の条件である場合が多いので、うまく活用しましょう。
契約期間は10〜20年と長い場合が多いです。
契約期間を終えると太陽光システムは自分のものになり、自由に売電もできるようになります。



初期費用がかからないことと、契約期間が終われば自分のものになることが大きいメリットです
太陽光システムの「屋根がし」は、初期費用を抑えながら家の性能も上げられる良い選択肢となります。
0円ソーラーがオススメな人
- 初期費用をなるべく抑えたい人
- 省エネ基準を満たしたい人
- 少しでも電気代を安くしたい人
安全・快適な家に欠かせない4つの要素はコストカット厳禁!
以下の4つは家の安全性や快適性に関わる大切な部分。
そのうえ、家を建てたあとから変えられにくいものです。
- 地盤改良
- 基礎
- 断熱材
- 構造体
最初にしっかりお金をかけておくべき箇所です。


地盤改良は、家を支える縁の下の力持ち。
弱い地盤の上に建ててしまうと建物の倒壊を招きます。
基礎は家の土台です。
家をがっちり隙間なく支えるベタ基礎を採用しましょう。


断熱材を安価なものにすると家の冷暖房効果が損なわれます。
ひどいと結露ができて木を腐らせ、家の寿命を縮めます。
構造体は家の強度に関わります。
柱を間引く話が担当者から出たら安全に問題ないかしっかり説明してもらいましょう。



家の安全や性能に関わるものはケチらないようにしましょう
まとめ
自然素材の家は、「高い」と思われがちです。
実際、安くない家であることも事実⋯。
しかし、正しい知識と工夫があれば予算内でも十分実現可能になります。
大切なのは、削るべきでない部分を見極めながら、どこを工夫して抑えるかというバランス感覚です。
本記事で紹介した8つの工夫をぜひ参考にしてみてください!
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