- 無垢床や漆喰に憧れはあるけど、予算的に難しいかも
- 見積もり見て高いからあきらめよう…
そう思って、あきらめかけていませんか?
実際私も一度、自然素材の家をあきらめた経験があります。

あきらめたくなかったけど、工務店にお断りの電話もしたほどです
しかし結果として、自然素材の家を建てました。
「長期的にみた時のトータルコスト」や、「高い金額に見合った価値はあるのか?」を徹底的に調べて納得できたからです。
たしかに自然素材の家は高いです。
でもそれは、決して無駄な出費ではありません。
むしろ住み始めてからのランニングコストの低さや、メンテナンス性、健康面でのメリットを考えると、長い目で見て「お得な家」になるからです。
本記事では、
- なぜ自然素材の家は高くなるのか
- 初期費用は高いけどランニングコストは低い
- トータルで見るとお得な家であること
- それでも初期費用を抑えたい人へのアドバイス
など、順を追ってわかりやすく解説します。
自然素材の家を、費用面から安心して選べるようになる内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
自然素材の家は初期費用が高い


自然素材の家は、初期費用が高くなる傾向があります。
初期費用が上がる要因2つ
高くなる理由は主に、使われる素材そのものの価格と、手間のかかる施工方法にあります。



高い理由は「素材の価格」と
「職人の施工料」の2つだよ
素材そのものが高くなる理由は、大量生産できないからです。
例えば無垢材。
自然の木が建材として使えるようになるまでには、伐採や乾燥などで数ヶ月〜1年以上かかることもあります。
工場で短期間に大量生産できる工業製品に比べて値段が高くなりがちに。
加えて、大工や壁を塗る左官職人の施工料もかかります。
その結果、自然素材の家は一般的な住宅に比べて高くなる傾向になるのです。


…高くなる理由はわかったけど…



自然素材の家の相場感が知りたい!
自然素材の家は坪単価で約65〜70万円が相場とされています。
ローコスト住宅(30〜50万円/坪)や一般的な注文住宅(55〜60万円/坪)と比べてやや高めです。
種類 | 坪単価(目安) |
---|---|
ローコスト住宅 | 30〜50万円 |
一般的な注文住宅 | 55〜60万円 |
自然素材の家 | 65〜70万円 |
大手・高級住宅 | 90万円以上 |
30坪の家でも、数百万円の差が出ることもあり、「やっぱり手が届かないかな…」と不安になる気持ちはよくわかります。
自然素材の家は「住んでからがお得」
自然素材の家はランニングコストが低く、長い目でみるとコスパがいいです。
メンテンナンス費が抑えられる
家は購入したあとも、クロスの張替えや壁の塗り替えなどお金がかかります。
自然素材の家は、一般的な家に比べて、建てた後のメンテナンス費用が少ないことが大きな特徴です。
以下の表は、一般的な住宅と自然素材の家とのメンテンナンス費用の比較です(わが家が建てた工務店ひだまりほーむの例を出しています)。


30年で約430 万円の差があります。
長い目で見ると自然素材の家はランニングコストが小さいことがわかり、お得と言えます。
冷暖房費が抑えられる


無垢材や壁に漆喰や珪藻土を使うことで、調湿作用により冷暖房費が抑えられることもあります。
特に梅雨の時期、室内はカラッとしていることが多く快適です。
初夏や晩夏で、朝夕で涼しい時間帯は冷暖房を使っていません。
注意点!
無垢床や珪藻土など自然素材を取り入れたから必ず冷暖房費が下がる、というわけでない
断熱性、気密性など、家自体の性能が大きく関わっているからです。
以下は実際にあった、3年前に建売の新築を購入した人の話です。



暖房つけているのに寒い(涙)
漆喰に変えれば暖かくなる?
後から自然素材に変えても、家の性能自体が低いと暖かくはなりません。
調湿作用を最大限に活かすには、家の性能も大切になります。



性能(断熱性や気密性)はお金をかけるべきところだよ
高性能と自然素材がかけ合わさって余計な冷暖房費がかからず、快適な家にすることができます。
自然素材の家に限らずの話で、家の性能をケチらないようにしてください…!
経年劣化による補修の必要がない


一般的なフローリングやクロスは、一度キズや汚れがついてしまうとなかなかもとには戻せません。
張り替えや修理が必要になるなど、補修のハードルは高くなります。
一方、無垢床や塗り壁は、小さなキズや汚れなら補修が可能です。
たとえ補修ができなかったとしても、ただの汚れやキズではなく、自然素材の味や家族との思い出になります。
経年劣化ではなく「経年美化」の考え方。
日々の細かな修繕にお金をかける必要がないのは自然素材ならではのメリットです。
安さを取ると犠牲になるものがある
工業製品は安い代わりに劣化による修繕が必要になったり、健康面で害を及ぼしたりすることもあります。
例えば、こちらは実家の床の写真です。


合板フローリングと呼ばれ、スライスした薄い木をボンドで張り合わせたフローリングです。
はがれてバキバキに。
足に刺さったこともあります。
さらにこちらは実家の壁の写真。


継ぎ目がペロンとはがれてしまっています。



一度はがれてしまうと見た目も悪く、修繕費もかかってしまいます
また、壁紙やフローリングを張り合わせるために使うボンドには化学物質が含まれることも。
シックハウス症候群を引き起こす原因となることもあり、安全性も問題視されています。
修繕費が家計の痛手に…


止まらない物価上昇の波。
実際、家づくり中にも設備の値段が数万円アップしていたこともコストを見直すきっかけでした。
子どもがいると、お金がかかる時期に修繕が乗っかってきます。



わが家も、物価上昇・子どもの学費と重なると、修繕コストが家計を圧迫する可能性があることに気づきました
だからこそランニングコストは低いほうが断然いい。
長い目で見ると自然素材の家は高すぎることはない、むしろ「お得な家」と言えます。
それでも初期費用の壁が高くて一歩踏み出せない…
そんな方に向けて、次の章からコストカットや一部だけ自然素材にする方法を解説します。
初期費用が心配な人には「補助金」や「減額の工夫」で乗り切る
補助金の活用やコストカットするという選択肢も考えられます。
長期優良住宅や地域の支援制度
大きく分けて2つあります。
組み合わせて使えると大きな味方になります。
例えば、私が建てた際は、国の補助金(長期優良住宅)と、地域の木を利用することでもらえる自治体の補助金の2つを利用しました。



160万円の補助をもらえ、お得に建てられました。
ただし、家を建てる時期や住んでいる地域によって支援制度が異なります。
ハウスメーカー・工務店にチェックしましょう。
減額の工夫
家の大きさ調整・施主支給など、減額の工夫を取り入れることで初期費用を抑えることができます。
特に床面積はオススメの減額ポイント。一坪削っただけで予算内に収まることも。
コストカットについて、以下の記事で詳しく紹介していますのでご覧ください。


「全部はムリ…」そんなあなたには室内のみ最優先に自然素材にする
それでもやっぱり初期費用が高くて手が出せない…
でも自然素材が諦めきれない!
と言う方には、一部分だけ自然素材にするのもありです。
優先すべき部分は床。その次は壁です。
無垢床を最優先すべき理由は、人間が家にいる時、床の空気を1番吸っているから。
以下は部屋で吸い込む空気の割合を表した図です。


部屋で吸い込む空気のうち、立っているときは53%、寝ているときは73%、床からの空気を吸い込んでいます。
床の空気が大半を占めていることがわかります。
壁を優先すべき理由は、床の次に空気を吸い込む量が多いからです。


人が立っている状態では合計45%、人が寝た状態では合計25%の割合を占めます。
部屋にいるときは常に9割以上床と壁から空気を吸い込んでいることがわかります。



室内に自然素材を用いることは健康への恩恵が大きいんです!
室内に自然素材を取り入れるなら、まずは床と壁を優先するのが効果的です。



でもさ、無垢床の家って寒そうなイメージもあるんだけど、実際どうなの?
無垢床を取り入れたわが家の体験談は、こちらの記事で紹介しています。


まとめ:自然素材の家はトータルでみると決して高くない
「自然素材の家は高い」という事実はたしかにあります。
しかしその価格は、快適さ・安心・健康といった、毎日の暮らしに直結する「価値」に見合ったものです。
- ランニングコストが抑えられ、素材そのものが長持ちする
- 長い目で見ると、体にも家計にも優しい家
そして、10年後、20年後にも「この家を選んでよかった」と思える。
それが自然素材の家の魅力です。
もし「全部を自然素材にするのは厳しい」と思っているなら、まずは「無垢床」だけでも取り入れる選択がおすすめです。
ぜひランニングコストも視野に入れ、納得できる住まい選びをしてくださいね。
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